高校生の皆さんへ

宇宙の謎に挑戦しよう!

美しい星空にロマンを感じ、宇宙の神秘に不思議な魅力を感じている皆さんも多いのではないでしょうか? 宇宙には言葉を失うほどの美しさと、想像を絶する激しさが共存しています。宇宙は謎だらけです。その未知の宇宙について共に学び、宇宙の不思議を一緒に解明してみませんか?
宇宙の様々な現象は、物理法則によって解き明かされると考えられています。しかしながら人類の知識が不十分なため、まだ説明できない現象がたくさんあります。 また、観測技術の進歩と共に新しい現象が発見され、新たな謎が次々に現れています。ひょっとしたら、宇宙には未知の物理法則が潜んでいるかもしれません。 私たちの夢は、物理学で宇宙の現象を統一的に理解し、できれば新たな物理法則を見つけることです。皆さんも一緒にこの夢を追ってみませんか?
日本国内では宇宙物理学を専門とする学科を持つ大学は限られています。しかし、宇宙の謎を解くには物理学の基礎知識が必要で、そのためには物理学科に進学することが最も適切です。 さらに東海大学理学部物理学科では、我々3人の専任スタッフ(西嶋、 河内、 櫛田)が協力して、可視光からガンマ線、ニュートリノにいたる幅広い方法で、宇宙の研究・教育を行っており、私立大学では数少ない宇宙物理学研究の拠点を目指しています。
皆さんの中には学力に自信の無い方もいらっしゃるかと思います。もちろん最低限の基礎学力は必要ですが、学問をやるのに最も大切なことは、知的な好奇心と、学問に対する情熱(やる気)です。 さあ、宇宙に興味のある高校生諸君!私たちと一緒に宇宙の謎に挑戦しましょう!

研究紹介

  • 超高エネルギーガンマ線の観測
    • 地上大気チェレンコフ望遠鏡技術の進歩により、超高エネルギーガンマ線天文学という新しい分野が驚くべき 勢いで確立されつつある。我々は、100GeVを越える超高エネルギーガンマ線を観測することにより、活動銀河 核、パルサー星雲、超新星残骸などで生起する様々な高エネルギー天体現象を理解するとともに、宇宙線の 起源の謎を解明することを目指している。
    • THe MAGIC(Major Atmospheric Gamma-ray Imaging Cherenkov Telescope)Collaborationは、ドイツ、スペイン、 イタリア、スイス、日本等8ヶ国21研究機関200名以上からなる国際共同研究チームである。 世界最大(口径17m)の 大気チェレンコフ望遠鏡2台を使用し、世界最高感度で銀河系内の宇宙線の起源とされる超新星残骸をはじめ様々な高エネルギー天体や、銀河系外の宇宙最大のブラックホールである活動銀河核(AGN)などを超高エネルギー ガンマ線で観測し、宇宙における粒子加速をはじめとする高エネルギー現象の解明を目指している。 当研究グループからは、西嶋櫛田、阿部、佐々、高橋、韓、姚が、MAGIC Japanメンバーの一員として参加し、 特に活動銀河核を 中心とした銀河系外天体からのガンマ線の観測により、ブラックホール近傍ジェットの構造とそこからの 放射機構、矮小橢円銀河や超銀河団のダークマター探索、スターバースト銀河における宇宙線の加速と閉じ込め、 などの解明を目指している。
    • 一方、超高エネルギーガンマ線天文学の研究をさらに発展させるために、欧米日など世界25ヶ国から800人以上 が参加して、究極の大気チェレンコフ望遠鏡システムの将来計画CTA(Cherenkov Telescope Array)プロジェクトが進んでいる。 当研究グループから西嶋、櫛田、阿部、佐々、高橋、韓、姚が、CTA-Japanの一員としてMonteCarloおよびFocal Plane Instrumentationワーキングパッケージに参加している。特に将来の素子としてのMPPCの応用をにらんだ基礎的な開発研究を、西嶋、櫛田によって進めている。 今後、TeVガンマ線だけでなくGeVガンマ線やX線、電波なども含めた多波長観測により、粒子の加速機構や宇宙線の起源など宇宙における 高エネルギー現象の解明が期待されている。