在学生の皆さんへ


宇宙物理学を学びたい人

皆さんの中には、宇宙に興味があって物理学科を選んだ諸君も多いことと思います。宇宙物理学という学問を学ぶには、広範な物理学の基礎知識と、それらを総合的に応用する力が必要です。 したがってもし将来、宇宙物理学を専門的に勉強したいと思っているなら、物理学科で開講されている基礎的な専門科目、すなわち力学、電磁気学、熱力学、統計力学、量子力学などを地道に根気よく勉強することが大切です。 その上で、流体力学、プラズマ物理学、原子物理学、特殊相対論など物理学科の専門科目を広く学ぶことを勧めます。

<参考図書> プレ卒研・卒業研究

順調にゆけば第6セメスターでプレ卒研(卒業準備講座)、第7セメスターから卒業研究を開始します。 卒業研究準備講座の期間中に希望研究室を決め,各研究室に配属されます。 プレ卒研と卒研は原則として同じ研究室になります。 さて、私たちの研究室は宇宙物理学を研究対象としていますが、卒業研究では幅広いテーマを扱います。 例えば、宇宙線ミュー粒子を用いて宇宙線の性質やミュー粒子の性質そのものを調べる研究、 小型天体望遠鏡を用いて新星、変光星や活動銀河核、星団などの測光を行ない、その時間変化や明るさの分布から様々な物理量を導く研究、MAGICなどの国際共同研究で得られた超高エネルギーガンマ線の観測データ、海外の赤外線天文台で観測したデータ、 Fermi/LATガンマ線衛星など公開天文アーカイブデータ、などを用いて解析することにより、特に宇宙における高エネルギー現象、突発現象などを調べる研究、流星の電波観測、 計算機を使った各種シュミレーション、検出器開発とその天文学や医療への応用の研究、など様々です(過去の卒業研究テーマ一覧はこちら) 。(過去の卒業研究テーマ一覧はこちら) これらのテーマを通じ、大学で学んだ物理学で宇宙・天文現象を理解すること、将来宇宙物理学や宇宙線物理学の研究分野で必要な基礎的実験技術および解析手法を習得すること、さらには研究の過程で自ら調べ考えることを通じて問題点を把握し解決する手法を学び、 論理的思考能力を身につけることを目標にしています。 その他一般論としては、物理の他に英語、数学、コンピュータを道具として使いこなせるようになってくれることを期待します。