研究活動

私達の研究室では、宇宙物理学・天文学から宇宙線物理学、素粒子物理学にわたる幅広い領域において観測的及び実験的研究を行っています。 各研究室の現在の主な研究内容は以下のとおりです。

櫛田 研究室

河内 研究室

  • 高エネルギー天体の多波長観測研究:X線・ガンマ線観測衛星、
    南アフリカIRSF天文台野辺山電波天文台ALMA観測所等を利用し、
    興味のある天体の多角的な観測を行なっています。
    また、流体シミュレーションを基礎にした連星系の研究を進めています。


超高エネルギーガンマ線観測

地上大気チェレンコフ望遠鏡技術の進歩により、超高エネルギーガンマ線天文学という新しい分野が驚くべき勢いで確立されつつある。我々は、100GeVを越える超高エネルギーガンマ線を観測することにより、活動銀河核、パルサー星雲、超新星残骸などで生起する様々な高エネルギー天体現象を理解するとともに、宇宙線の起源の謎を解明することを目指している。 The MAGIC(Major Atmospheric Gamma-ray Imaging Cherenkov Telescope)Collaborationは、ドイツ、スペイン、イタリア、スイス、日本等8カ国21研究機関200名以上からなる国際共同研究チームで、世界最大(口径17 m)の大気チェレンコフ望遠鏡2台を使用し、世界最高感度で、銀河系内の宇宙線の起源とされる超新星残骸をはじめ様々な高エネルギー 天体や、銀河系外の宇宙最大のブラックホールである活動銀河核(AGN)などを超高エネルギーガンマ線で観測し、宇宙における粒子加速をはじめとする高エネルギー現象の解明を目指している。当研究グループからは、 西嶋櫛田、阿部、佐々、高橋、韓、姚が、 MAGIC Japan(Major Atmospheric Gamma-ray Imaging Cherenkov Telescope)メンバーの一員として参加し、特に活動銀河核を中心とした銀河系外天体からのガンマ線の観測により、ブラックホール近傍ジェットの構造とそこからの放射機構、矮小楕円銀河や超銀河団のダークマター探索、スターバースト銀河における宇宙線の加速と閉じ込め、などの解明を目指している。 一方、超高エネルギーガンマ線天文学の研究をさらに発展させるために、欧米日など世界25カ国から800人以上が参加して、究極の大気チェレンコフ望遠鏡システムの 将来計画CTA (Cherenkov Telescope Array) プロジェクトが進んでいる。 当研究グループから 西嶋櫛田、阿部、佐々、高橋、韓、姚が CTA-Japanの一員としてMonteCarloおよびFocal Plane Instrumentationワーキングパッケージに参加している。 特に将来のカメラ素子としてのMPPCの応用をにらんだ基礎的な開発研究や医療用ガンマ線カメラとしての応用を,西嶋櫛田によって進めている。 今後、TeVガンマ線だけでなくGeVガンマ線やX線、電波なども含めた多波長観測により、粒子の加速機構や宇宙線の起源など宇宙における高エネルギー現象の解明が期待されている。